光のないこの世界を
山田涼介さんを好きになったのはずっと前のことだった。
あの頃わたしは小学生で、山田さんの事を「涼くん、涼くん」と呼んで、同じ山田担の親友とふたりで文通をしながら、まるでクラスメイトの話をするみたいに、山田くんの好きなところ、かっこいいところを話していた。
その気持ちをタイムカプセルみたいに掘り起こしたのは約2年前のこと。
わたしは、小学校で「涼くん」を好きでいたころから、いろいろ変わった。
いろんなことがあった。いろんな人と出会った。たくさんの人を傷つけて傷ついて、笑い方も泣き方も、友だちの選び方も異性の見方も生き方も、世界とのかかわり方も、なにもかも変わった。
それでも、わたしがあの日東京ドームで見た山田くんは、あの日掘り起こしたタイムカプセルは、わたしが何も知らなくて何よりも残酷だったあの頃と、おんなじ笑顔で笑っていた。
世界中の綺麗なところをあつめた世界が、わたしにとってのジャニーズだった。ジャニーズを好きだなんて公言する人たちは、きらきらした世界の人たちで、隣の人が何に悩んでいて、世界にどんな辛いことがあるかなんて知らない人たちなんだと思っていた。
わたしがブログを始たのは、ふうたさんの運営されているそっとつぶやくYUTOゴトというブログを見てからでした。
6月18日、はじめてふうたさんのブログにコメントした時。
わたしは久々に触れたジャニーズの世界に少し怖気づいていました。どういう世界だったっけ。どんなテンションだったっけ。
でも、ふうたさんはとても見識のある方で、裕翔くんのことをずっと、そしてそっと、優しく見守っていらして。
「あれ、JUMPって、こういう風に知性のある方がファンになるグループだったっけ」
そのとき思った。
門限の9時(ななんさん)や知念担男子ゆうすけのブログ(ゆうすけさん)を読んで、「こういう記事を書きたい」と思うようになった。
山田くんや知念くんのことを、自分の言葉でまっすぐ綴る姿は、きらきらと輝いて見えた。どんなに馬鹿にされても、誰かの概念に縛られず応援していこうと思えた。わたしが知っていたはずの「ジャニオタ」とは、遠く離れた人たちだった。
アイドルのことを全部好き好き言って、うちわ振り回してファンサを生きがいにする、そんなイメージになっていた「ジャニオタ」。
こうしてブログを始めて、たくさんの人たちと関わって、全部「なんだよそれ」って笑い飛ばすことが出来るようになった。
アニメオタクとも、電車オタクとも、俳優オタクとも、結局変わらない。
ただ好きなんだ。ただ大切にしていたいんだ。
ジャニオタなんて恥ずかしい。そりゃそうだ。
手が届きもしない一人の男の子を、「担当」とか呼んで、「自担」とか呼んで、我が子みたいに大事に大事に見守っている。
傍から見たら、なにしてるんだって思われることもある。いちいちチケットの当落に一喜一憂して、わざわざ可愛い服買って行ったりして。
担当にいいことがあればみんなで喜んで、スキャンダルがあれば非難して、担降りすればみんなで泣いて。
自分の担当は誰なんだろうって悩んだり、このままでこの子は売れるのか心配したり。
自分には全く直接関係のないことなのに、心の器をめいっぱいに使っている。
そんな文化が、わたしは嫌いじゃない。
「山田くんが好きなの?」と聞かれたら、ちゃんと胸を張って、自分のなかで一番の笑顔でもって、「好き」って答えられるくらいには、彼を大切に思っている。
山田くんの顔が好き。
ちょっと短い手足が好き。
切ない表情が好き。
とろけそうな歌声が好き。
七変化できる透明で存在感のある演技が好き。
照れた笑顔が好き。
選ぶ一つ一つの言葉が好き。
癖があって昔と変わらない文字が好き。
女々しくて自分に自信がない山田くん。でも、人の願いや思いを背負える優しさと強さを持ってるところが好き。
自分を普通だと思っていて、本人はコンプレックスに思ってるんだろうけれど、その普通がかえって、「誰かにできるなら自分にもできる」なんて思いにつながっていく。
山田くんの生き方は、山田くんの姿勢は、わたしには絶対できないくらい立派でかっこよくて、ときどき嫌になるほど綺麗だ。
でも、読み進めたいと思うのは、全巻集めたいと思うのは、やっぱり山田くんで、それはやっぱり文庫本じゃなくてハードカバーで揃えたくて、古本屋に売ったりせず手元に置いておきたくて、そんな風に思うのである。
あれだけいろんなアイドルに愛を叫んでおきながら、あれだけJUMPに不安を募らせていながら、山田くんへの思いを手放す気にはならない。
世間一般、もといジャニオタ一般から見ればわたしは優馬担かもしれない。でも、あの日見つけたのが山田くんだったから。だからわたしはここにいる。山田くんへの思いをまだ本棚から出してしまいたくない。彼が、彼のいままでが、これからが、世界中に羽ばたく姿を見たい。そう思う間は、わたしはやっぱり山田くんのうちわを置く気にはなれない。
わたしにとって、山田涼介を一言で表すなら、「光」だ。
光を当てられるためにもがいて、あがいたJr時代もあった。
光ばかり当てられて思い悩むときもあった。
光のない世界を生きてゆく運命だなんて、そんな切ないことどうか言わないでくれ。
あなたは、光に照らされるべき人で、光の中を歩むべき人で、光になれる人だ。
君だよ 君なんだよ 教えてくれた
暗闇も光るなら 星空になる
悲しみを笑顔に もう隠さないで
煌めくどんな星も 君を照らすから
―光るなら/Goose House
山田くんを追いかけていない間、辛いことがたくさんありました。
山田くんを追いかけてからも、辛いことはたくさんあります。
彼らアイドルはわたしたちを実際に救ってくれることなんてない。笑顔で手を差し伸べることなんてない。学校に合格させてくれるわけでも、偏差値を上げてくれるわけでも、職場で出世させてくれるわけでもない。
それでも、あなたを応援することで、ふと泣けてくることがある。
ふと辛い今を忘れることがある。ふと笑ってしまうことがある。
その瞬間がいつも好きで、わたしはこれからも彼を応援しようと思うのです。
あなたがこの世界にいるということ。
ただそれだけで、この世界で自分が生きる事を肯定できる人たちがたくさんいます。
いつまでもこうあって欲しいなんて希望は言いません。
あなたがそうありたいように、あなたがなりたいように、なってください。
アイドルという不自由な檻に居続けると決めてくれて、本当にありがとう。
どれだけわたしが変わっても、あなたが変わらずに夢を追い続けていてくれることに、その背中に、心の底から安心するんです。
例えこれから先、あなたの背中を追いかけなくなる日が来るとしても、この時期にあなたを好きでいた記憶は、いつかまたタイムカプセルになって未来のわたしに届くでしょう。
わたしの青春でいてくれて、ありがとう。
まだまだ子供で未熟で、けれど誰よりもずっと優しくて仲間思いの男の子。
山田涼介くん、22歳のお誕生日、おめでとう。
あなたの歩む未来にどうか眩しい光が待ち受けていますように。
山田涼介に幸あれ!
5月9日の誕生花:スイートサルタン
花言葉:感謝
2015年5月9日をもって、このブログをお休みします。
きちんと帰ってくるのは大学受験が終わってから。
それまでは、山田くんによっぽどのことがない限り記事を更新することはないです。24時間テレビとか、グラスホッパーとか、大きな仕事があればまた書こうかなとは思っていますが。
だから、お別れというほどお別れではないんですが。一応、区切りとして。
開設から、コメントやスターをくださったみなさんありがとうございました。初めはリアクションをもらえるのが新鮮で、そのうち色々な人の考えに触れるのが楽しくなって、いろんなお話を様々な方とさせていただけて、とてもたのしかったです。
これからしばらく交流はずいぶん減ってしまいますが、どうぞ帰ってきた折には何事もなかったかのように接してやってください。
本当は受験関係なくだらだら更新しようかなと思っていたんですが、こういった形にすると決めたのは「映画 暗殺教室」を見た翌日でした。
山田くんは少しずつ変わっていく。だったらわたしだって変わってやる。なんて。
山田くんに対して、変にライバル心があるんです(笑)
べつに、ジャニごと全部絶つわけではないので、Twitterはちょいちょい動くでしょうし、番組見てたり新曲聞いてたりすることもあるかと思います。
そんなときは生暖かく見守ってやってください(笑)
2015.5.9
愛すべき「ぷにゅ吉」山田涼介さんの22歳の誕生日によせて
Hey!Say!JUMP 山田涼介担 しらゆき